コレクション収納 ~書籍編・収納の前に~

 

書籍の場合は、さまざまなコレクションの中でも重量があるので、収集家であればあるほど家屋の床が抜けるなどの心配があります。

また地震が起こった際は、本がダメになることはもちろん、身の危険について考えなければなりません。

ここでは「電子書籍へ乗換えを」などとは申しません。紙書籍をどうしても手元に置きたい方のために、まずは注意点をご紹介していきます。

 

 

1 保存について

 

紙書籍に大敵なのは、高温多湿、ホコリの多い場所、日光の当たる場所です。

紙と糊が使用されているために虫が付きやすく、また陽が当たる場所では退色(色が褪せる、黄ばむ)が進みます。

床に積み重ねるのではなく、書棚に納めることが一番の保存方法です。

また平積みは背表紙が重みで歪んだり傷んだりするために、書籍が傷みやすくなります。ページが外れたりすることもありますので、なるべく棚差し(縦に収納)して大事に保管しましょう。

ホコリはなるべく掃除します。数年に一度は、晴れの日にホコリを払う「虫干しの日」を作っても良いかもしれません。時々風通しをよくするのも大事な保存方法のひとつです。

 

 

2 重さについて

 

いったい何冊所有すれば、家の床が抜ける大惨事になるのか、近年議論が活発になりました。家屋の築年数、木造や鉄筋造かによっても違いが表れるため、一概に何冊とは言えませんが、5,000冊前後の所有が対策を考える目安かもしれません。部屋の書棚をバランスよく配置し、書籍・書棚双方の重さを考慮しましょう。

 

●書籍の重量――【軽】 コミック < 文庫 < ハードカバー、画集 【重】

コミックは軽いため簡易ラックでも充分収納できますが、ハードカバーや画集、図鑑などは重いため、丈夫な書棚のなるべく下の位置に収納しましょう。天井近くに置くと地震の際に危険です。

 

●書棚の重量――【軽】 オープン書棚 < 扉付き < ガラス扉付き、スライド書棚 【重】

 

●棚板の耐荷重―― 木製(15kg前後) < スチール製(40kg)

薄い木製書棚では、目一杯書籍を詰めると棚板が たわんだり、最悪外れてしまう場合があります。できるだけ丈夫なものか、幅の短い書棚を選ぶと良いでしょう。

スチール製は頑丈ですが、奥行きが40cm以上と深いものも多く、棚板数も少ないため、書籍を沢山収納するには工夫が必要です。

 

※スライド式や引き出しタイプは、書籍が今後増えない、という方にのみオススメ。

書棚自体も重さがある上、本を増やしすぎて肝心のスライド棚が動かなくなる危険性があります。また頻繁に動かすのも壊れやすくなる原因なので、適材適所でご利用ください。

 

※大地震が起きた際、すぐに生存確認をされる(家の心配をされる)のも本好きの宿命。書棚には地震対策をしっかりと施しておきましょう!

(天井に突っ張るタイプの書棚の使用や、転倒防止器具の取付、重い書籍は下に置く、落下防止バーの設置など。まずは丈夫な家を選ぶことも重要です。)

突っ張り棒を使えば、本棚が倒れる心配がない。

 

3 より多くの書籍を書棚に納めるには

 

棚間(棚と棚との間)を書籍の高さに合わせると、多く書籍が収納できます。隙間が少なければその分ホコリも入りにくくなるので、市販の書棚の場合は、棚板のピッチについて気にしておきましょう。1~2cmで調節できるものが便利です。

こうして調節した場合、文庫サイズ以下の10cm前後の隙間ができることがあります。そんなときは画集などの大判サイズを横に寝かせて収納すると、場所もとりませんし、数冊しか置けないため書籍にも棚板にも負担が少なくお勧めです。もちろん飾り棚としてインテリアに活かしても素敵ですね。


 

いかがでしたか?

書棚に本を納めることが一番の保存方法とご紹介致しましたが、ご自身のライフスタイル、蔵書量に合わせて、適したものを選んでみてください。